爆弾低気圧が北海道を襲った隙間の12月7日朝、少々寒くはあったが昨日までの天気が嘘のように穏やかな中、我々民放クラブ11名は「出雲大社・松江・姫路城三日間の旅」に出発した。この企画は、秋に予定した「知床巡り」中止に代わって急遽「JTB旅物語」の格安ツアーに便乗したものだ。
初日は羽田空港乗り継ぎで快晴の大阪伊丹空港へ。雪化粧で美しい冨士山を眼下に、機内で昼食をとって正午過ぎ伊丹空港到着。そこからは帰りの飛行機まで同じ貸し切りバスで、一般参加者の方々と総勢41名の団体行動。
バスは最初の目的地、倉敷へ。初日は伊丹空港から倉敷、それから日本海側松江市の玉造温泉までと長距離の移動だったが、地理に詳しい地元のバスガイドさんが、何度もクイズで我々を惑わせ、時には喜ばせたりで退屈なしに移動できた。
さて、倉敷である。なんと言ってもここは大原美術館だ。一同直行する。昨年秋、帯広旅行で堪能した「巨匠たちの饗宴」(道立帯広美術館)の巨匠たちと、違った作品で再会を果たす。
倉敷美観地区の町並みを散策した後は、遅い夕食に備え、竹箸に絡ませた蒲鉾を片手に地ビールを立飲み。喉を潤した後は最初の宿「玉造温泉」へ。清少納言も愛したという「美肌・姫神の湯」に浸り若返る。
日目は朝早くホテルを出発。途中、「勾玉の里伝承館」に寄ってから「出雲大社」へ。ここは、ご存知縁結びの神様。いまさら男女の「縁結び」とは無縁の一同も神楽殿での神官の祝詞、巫女の優美な舞いと荘厳な雅楽に酔ったか、神妙に2礼4拍1礼の出雲大社方式?の正式参拝。
本殿は平成の大遷宮のため仮設の囲いで覆われていて拝観は叶わなかったが、神々の古里の雰囲気を充分味わい、次の予定地、城下町松江市へ向かった。
この日は晴れ間が見えるものの、強く冷たい風が吹き、バスの窓越しから宍道湖に白波が立つのを見て、松江城堀川の遊覧船観光が危ぶまれた。しかし、老壮年1人として乗船を拒む者なく船頭のいなせなガイドで風情ある街並み等を船上から楽しんだ。実は、12月からは船にコタツが設えられていてとても暖かく、地獄に仏の有難さだった。
さて、次は直ぐ近くの安来節で有名な安来市にある足立美術館。日本画、特に横山大観のコレクションで有名だが、その他にも数多の近代日本画の蒐集と華麗な日本庭園でもよく知られている。「日本画と日本庭園の調和」が美術館創設以来の基本方針だとか。
美術館では、冬季特別展「日本画トップアーティスト7」が開催されていた。横山大観、川合玉堂、上村松園など札幌ではなかなか観ることの出来ない日本画家の作品を主体に全展示室で60点以上展示されている様は、まさに圧巻だった。惜しむらくは時間に限りがあった。もう一度時間をかけて、じっくり鑑賞したい美術館だった。


横山大観特別展示室

枯山水庭(秋)

苔庭(秋)
ミシュラン・グリーンガイド・ジャポンから「三ツ星」の評価を得た日本庭園
写真は何れも「公益財団法人足立美術館」からご提供いただきました

日目の観光は全て終わった。此処からは一路兵庫県姫路市へ。途中、名峰大山の全貌を眺める幸運に恵まれた。ホテル到着予定は午後7時過ぎと、少々ハードだったが、民放クラブだけで企画した「河豚」の夕食が楽しみで一同心が弾んだ。土曜日の夜ということもあって、予約は午後9時。しかし、待った甲斐があった。料理は味、ボリュームとも申し分なく、しかも、なんと1人前3,990円。一同、料理とヒレ酒を充分堪能した。暖まって店を後にしたところ、100円のお釣りを忘れたと店員が自転車で追いかけてきたり、バッグの忘れ物をホテルに届けると電話が来たりと親切な対応に心まで熱くなった。
3日目は日本最初の世界遺産姫路城を見学。たまたま改修工事中だったが、工事のための仮設建屋の中に設置された見学スペースから、普段近距離からは見ることのできない天守閣の屋根や壁、それに伝統的な日本建築技術の一端を見ることが出来たのは幸運だった。
ところで、団体旅行では定番の業者手配の要所における集合記念写真撮影。この日も姫路城に到着時、写真屋さんが待ち構えていた。所定のところで「はいチーズ」とやるもシャッターが動かず、何度も試みたが失敗。写真屋さんはすっかり恐縮していた。姫路城見学を終えてバスに戻ると、件の写真屋さんがお詫びにと姫路城の全景写真を全員に配っていた。
ここまでしなくても・・・と思いつつ戴いたが、思えば前日の夕食処の店員さんやこの日の写真屋さんの心温まる親切、それに天気に恵まれ続けた旅行会だった。これも参加者一同の「不断の善行の賜物」とは言い過ぎか。とにかく、楽しい旅行だった。

ところで、姫路城の記念撮影写真(上)が旅行後、世話人の長谷川さんから届いた。写真屋さんが苦闘している間にご自分が撮影され、後で長谷川さん自身の姿(前列左端)をはめ込んだものである。さすが多彩な人材の宝庫、民放クラブである。

(北島 記)